事業について
「海洋生物ビッグデータ活用技術高度化」は、文部科学省の海洋資源利用促進技術開発プログラムの一環として実施される委託事業です。地図・動物・ミクロという3つの視点から海洋生物と環境のビッグデータを取得・統合し、海洋データを社会の意思決定に活かせる価値ある知へと変えることを目指します。
事業の目的
海洋には、種の分布から個体の行動、微小な粒子の動態まで、スケールの異なる膨大なデータが眠っています。本事業は、これらを異なる観測アプローチで捉え、共通の基盤上に統合することで、水産資源の持続的な利用、海洋保護区の設計、防災・予報の高度化など、社会実装に直結する応用を進めます。
3つの研究開発課題
本事業は、スケールの異なる3つの観測アプローチを並走させています。
- 課題01・ミクロの視点:イベントベースビジョンセンサ(EVS)を用いた海洋粒子ビッグデータ生成。高塚進(ソニーCSL)が代表を務めます。
- 課題02・動物の視点:バイオロギングで実現する海洋生物と人の持続可能な共生社会。佐藤克文(東京大学 大気海洋研究所)が代表を務めます。
- 課題03・地図の視点:海洋生物多様性ビッグデータ汎用化の基盤技術と海の豊かさを守る応用技術の開発。久保田康裕(琉球大学)が代表を務めます(前半期間までの課題)。
共有データ基盤
3つの課題で得られる観測データは、共通のスキーマとフォーマットのもとで共有・解析・配信されます。点・線・面という異なる解像度のデータを一つの基盤上で結びつけることで、単独の観測では見えなかった海洋の動態を高い解像度で描き出します。
推進体制
本事業は、プログラムディレクターの赤松友成(早稲田大学 研究院教授)のもと、産学の研究機関が連携して推進しています。委託元は文部科学省 研究開発局 海洋地球課です。
国際的な位置づけ
本事業は、国連「持続可能な開発のための海洋科学の10年(Ocean Decade)」の Decade Action として2025年11月に承認されました。海洋ビッグデータの技術を国際的な枠組みのもとで発展させ、世界の海洋科学に貢献していきます。